51.甘え方が分からない
妻と付き合い始めて間もない頃、
インターネットカフェに行きました。
妻も私も自分の好きな漫画を持って来てそれぞれ読んでいました。
私は壁にもたれて、
妻は寝転がって。
時間が過ぎ、
妻は「もう 甘えてこないんだから」と言って、
私の膝枕で漫画を読み始めました。
確かに恋人同士、
イチャイチャしてもおかしくない状況。
「甘えてこないんだから」という言葉は、
「甘えていいんだよ」という以外に、
何か意味を持っているように聞こえたんです。
私は甘え方を知らない自分に気づいたんです。
甘えるって一体どういうことなんだろう?
と振り返れば、
甘えたい盛りにその気持ちを我慢してきたかもしれない。
甘えたこともあったと思うんですが、
「母を支えなくてはならない。
甘えてなんかいられない。
早く大人にならなくては」
という思いがあったのははっきりと覚えています。
2歳の頃におまるを自分で洗っていたと母から聞かされた時には、
さすがに驚きましたが、
ただ、
甘えられないからといって、
日常生活に困ることもなかったので、
問題意識もありませんでした。
でも甘え方を知らないことが、
人を寄せ付けないトゲトゲしい雰囲気を醸し出していたり、
人間関係に影響していたかもしれないと思います。
そして、
人は鏡と言います。
妻は私と性格が正反対。
自分にないものを学ぶには絶好の相手。
たとえば、
息子が発熱で急に仕事を休まなくてはならなくなった時、
妻は次の出勤日に職場の人にお菓子を持っていったりします。
私にはない価値観です。
無理を言って仕事を休ませてもらった感謝の気持ちにお菓子を添える。
お菓子を持って行く行かないはどちらでもいいけれど、
お菓子を差し入れしたくなるほどの気持ちを持つことに感心します。
もし私だったらそっけなく、
「昨日はすみませんでした」と、
挨拶をして終わるだけ。
休ませてもらって、
どれだけ迷惑をかけたかということまで思いが至らない。
そういうことを妻は気づかせてくれます。
そして息子がどんな時にどう甘えているのかを観察しています。
子供は実に甘えじょうずで、
私が子供の頃、
こういう甘え方をしていたのか?考えてみたり、
親にそれを聞いたりする。
そうすると、
自分という人間が少しずつわかってくる気がします。
全部一人でやりたがる人
人に頼ることをしない人はどこか痛々しい
自分の意見を言わない人
人に頼りっきりの人はどこか無責任だ
もしそういう自分に気づいたら
どんどん変えていけばいい
でも変えたい気持ちの隣には
たいてい変えたくない気持ちもあるもので
その二つがせめぎあいながら
少しずつ変わっていくもんだ
