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58.それは舞台だね

5月27日
読了時間: 4分

平成28年版 障害者白書によると、

精神障害を抱える人は日本に約392万人いる。


これは身体障害を持つ方393万人とほぼ同じ。


でも実際には、

病院へ行っていない人を含めればもっと多いはずです。


僕はメンタルヘルスの会社に勤めていた時、

常々疑問に思っていたことがありました。


ピカソやエジソン、

アインシュタインは発達障害、

ベートーベンやゴッホはアスペルガー症候群、

モーツアルトはADHD、

夏目漱石は統合失調症だったのではないかと言われていて、

こうした人達は、

教科書に載る誰もが知っている偉人です。


一方で、

同じ精神障害を抱えていても、

生活に困窮していたり、

自傷行為に苦しんだり、

果てには他害行為や自殺をしたりする教科書には載らない人達がたくさんいます。


でも前者と後者の社会的評価は全く違います。


比べ方が極端なのは分かっていますが、

でも同じ『障害』を抱えた人同士、

「この両者は何が違うのでしょうか」と、

社長に聞いてみました。


すると社長は少し考えて、

「それは舞台だね」と。


ピカソやゴッホには芸術。


エジソンには化学。


アインシュタインには物理学。


ベートーベンやモーツアルトには音楽。


夏目漱石には文学という舞台があったからこそ輝けたのではないか。


ととても腹落ちしました。


それは何も精神障害を抱えている人に限らず、

私だって同じこと。


自分が認められたり、

輝ける場所があれば、

多少の生きづらさなんてどうってことないのかもしれません。


でも自ら望んだ舞台に立てる人よりも、

望んでいても立てない人、

自分のやりたいことさえわからない人の方が圧倒的に多いのが現実。


その言葉を聞いてからというものの、

僕は舞台に立てなかったり、

舞台の見つからない人をサポートする人が必要だと思うようになりました。


舞台を自分の力で探せる人はいいし、

自分で探すことが『人生』だとも言えます。


でも僕の母のように、

自分の力では難しい人に手を差し伸べる誰かがいたならば、

また違う人生があったのかもしれない。


病気に悩み苦しんでいる人が、

医療的アプローチで病気を治したり苦しみをやわらげたりすることと合わせて、

その人にあった舞台の上で、

短時間でもスポットライトを浴びるような社会的アプローチがあると、

より病気と上手に付き合っていけるのではないかと思います。


実はそれをより強く思った出来事があるのです。



母は透析治療が40年になった年に、

それを記念して、

病院から表彰されました。


院長先生から、

同じ透析をする患者さんやそのご家族の前で、

これまでのことを振り返ってスピーチしてほしいと言われ、

患者会のイベントに出席することになりました。


院長先生が司会者となって、

母に色々な質問をします。


母は冗談好きなので、

会場を笑わせたりしました。


母は、

人前で自分の病気のことを話すのは初めてのことだと言っていました。


心なしか私には、

母が輝いているように見えました。


母は障害を持ってからは働くことが一切できませんでした。


病院と自宅の往復に人生の大半を使いました。


普段は横になっているばかりの母だけど、

患者会のイベントという目的が出来たことで、

体調も整えたと思います。


母はこの日舞台に立ったと思うのです。



すべてうまくいく



どんな障害も困難も乗り越えられるさ いつかは

不自由さがたとえあったとしても

決して不幸じゃないのだから


君の指にとまった大切な人たち


大丈夫大丈夫 すべてうまくいく

今君ができることをひとつずつ

悲しくて悔しくて辛いことが続いても

信じる言葉胸に響かせて

信じる言葉胸に響かせて



誰にも言えないことのひとつやふたつ

なかったことにしたいブルーデイズ

時薬が人薬が涙を癒すまで

楽しみのバトンをつないでゆくのさ


あと少しだけ何かが変わったらいいな


何度でも何度でも語り直せばいいさ

温めた未来は大事に孵さなくちゃね

バカだよと無理だよと笑う人もいるだろう

誰と較べることはない 胸を張れ



胸を張れ


大丈夫大丈夫 すべてうまくいく

今君ができることをひとつずつ

自分らしくあるために飾らず前を向いて

信じる言葉胸に響かせて

信じる言葉胸に響かせて

大丈夫すべてうまくいく

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